社員の想い #03

お客様の気持ちを知るために。
初夏のオフィスで長靴を履き続けた3人。

オフィスに白い業務用の長靴姿。この3人、いったい何をしているか、あなたはわかりますか?

答えは昨年、冷凍倉庫など日頃極寒の環境で働いている方々にお役立ちする商品を開発している一コマです。
弊社に「とにかくあったかい靴下」という室内用で温かい分厚い靴下があります。毎年決まって沢山ご注文いただくお客様がおられるのですが、お伺いすると、意外な使われ方をされていたのです。
それは、室内用に作ったつもりが、冷たい仕事現場では手放せないとお使いくださっていたのです。私はとても感激し、それであれば、とことんこのような方々のために商品を作りたい!そう感じました。

さっそく調べてみると、極寒の倉庫で働いている方というのは長靴作業が多いのです。ヒアリング調査をする前に、まずは自分たちで改良前の靴下を履きながら、長靴で靴下の履き心地を確めてみることになったのです。

初夏のオフィスで白長靴を履いていた3人。最初は珍しい目で見られた。

調べるポイントは、
・靴下の厚みが長靴着用時に履きづらさを感じさせないか
・長靴内で靴下がズレないか
・作業時に歩きにくくないか
ということです。

白い業務用の長靴で社内を闊歩するその姿は、他の社員にもインパクトがあったのでしょうか、注目を集めていました。しかも、実験したのは5月~6月。まだまだ初夏とはいえ、30℃近い状況。長靴内はとても暑く、まるでお湯の中に浸かっているかのようでした。「辛い」そう思いながらも、一週間、十日、一ヶ月と時間が経過していくと、次第に「大変そうだけど、がんばってるよね」「よくやってるよね、えらい!」などと声をかけられることも増え、私にはそれがとても励みになりました。

私がこの靴下を履き、長靴を実際に履いてみてわかったことは、長靴を脱ぐと必ず靴下もズレてしまい、これでは毎日イヤになってしまうだろうと思ったことです。また、長靴を履き、動き回ることで、通常では考えられないような毛玉がついたことも体験して初めてわかったことです。

顔が見えない通販だからこそ、
お客様の1日の動きをイメージして商品を作る。

この商品開発にご協力していただいたのは冷凍倉庫で作業をする、ある一人の女性です。私はこの女性が喜んでくれる靴下を作りたい、そんな思いでいっぱいで、靴下を履く前や履いた後、さらに朝起きてから夜寝るまで1日の動きをあれこれ頭でイメージして商品を作り上げていきました。

通販というと売り手も買い手も顔が見えないというのが基本です。しかし、山忠が創業期に行商をしながらお客様の悩みや不具合をお聞きし、商品を作り上げたその精神をこの商品作りで少しだけ体感できた気がします。
具体的にお客様をイメージし、直接お話を聞きながらモノづくりすること。これからも忘れてはいけない大切な姿勢です。