山忠の取り組み
MESSAGE FROM THE PRESIDENT
社⻑の⾔葉

山忠は2035年に向けて、新たな次のステージへ。

代表取締役社長 中林 道治

山忠は1958年、たった一台の靴下編機からスタートした会社です。
寒い新潟の地で、「人様に喜んでいただけるものは何だろうか」
そう考え抜いた創業者たちは、自ら作った靴下を持って、お客様のもとへ足を運ぶ行商を始めました。
そこで大切にしてきたのは、商品を売ることだけではありません。お客様の声を直接お聞きし、その中にあるご不満やお困りごとを受け止め、少しでも喜んでいただける商品へと改善を重ねていくことでした。
「ここが少しきつい」
「もっとあたたかいものがほしい」
「毎日の暮らしが少しでも楽になるものはないだろうか」
そうした一つひとつのお声に向き合い続けてきたことが、今の山忠につながっています。

お客様の「不」を「快」に変えていく。

2035年に向けて、山忠がさらに強めていきたいこと。それは、お客様の暮らしの中にある「不」を、少しでも「快」に変えていくことです。
不満、不足、不安、不便、不快。
人の暮らしの中には、言葉にはならない小さな「不」がたくさんあります。しかも、その多くはお客様ご⾃⾝も気づいていないものです。
以前、あるお客様から「Aという商品の⽩い靴下がほしい」と⾔われたことがあります。理由をお聞きすると、その⽅は看護師さんで、職場では⽩い靴下しか履けないとのことでした。「⽩がない」という表⾯的なお困りごとの奥には、「職場で履けて、肌にやさしく、⽴ち仕事でも⾜が疲れない靴下がほしい」という願いが隠れていたのです。そこまで汲み取ったうえで商品をお届けできたとき、初めてお客様の「不」は本当の「快」に変わります。

⽇本中のすべての⽅の「不」を解消することは、正直、簡単ではありません。
けれど⼭忠には、ブランドごとに異なるお客様がいらっしゃいます。そのお客様お⼀⼈おひとりのお困りごとを真摯にお聞きし、少しずつでも改善していく。その繰り返しを積み重ねる10年にしたいと思っています。

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足からの健康を、これからも。

山忠の原点には、創業以来大切にしてきた「足からの健康」があります。
靴下は毎日身につけるものだからこそ、足の冷え、むくみ、歩きやすさ、姿勢、そして健康な毎日に深く関わっています。
『⼈⽣100年時代』と⾔われる今、健康で⾃分らしく暮らし続けることは、多くのお客様にとっての大きな願いです。

私⾃⾝、忘れられない商品があります。それは2002年に発売した「健康⾜⾸ウォーマー」です。
⼿⾸・⾜⾸・⾸といった「⾸」のつく場所は⾎管が浮き上がり、外気に触れやすい。だからこそ冷えやすく、逆にそこを冷やさなければ、体をめぐる⾎が冷えにくくなる。それなら、⾜⾸をあたため、空気で保温できるものがあればいいのではないか。
たまたま参加した研修でご一緒した中国漢方の先生から「足首には冷えに効くツボがある」ことを教わったことも開発に大きく役立ちました。空気の層で保温できるよう二重構造に。肌に触れる内側には、保温性が⾼く肌にやさしいシルクを。試作品を履いて寝た翌朝、⾃分の⾜が驚くほど軽かったあの感動は、今でも覚えています。
「20年ずっと履いています」「1年中欠かさず着けてます」「娘と孫にプレゼントしました」
今でもたくさんのお声や手紙をいただいており、この商品を開発できてよかったと心から思っています。
この「健康足首ウォーマー」は一例でしかありません。
「足うら美人」、「ケアソク」など、「足からの健康」を目指した多くの靴下の開発をしてきました。山忠はこれからも、足を見つめ、暮らしを見つめ、お客様の健康寿命を支える商品づくりに取り組んでまいります。

shacho_02.jpg開発に携わった足首ウォーマー。肌側シルクや二重構造など、山忠の技術が詰まっている。

行商精神を、未来へ。

創業から約70年。
時代も、暮らしも、お客様との接点も大きく変わりました。しかし、山忠が大切にする姿勢は変わりません。
お客様の声を聞くこと。
お困りごとに気づくこと。
そして、その声をもとに、よりよい商品へと何度も改善を重ねていくこと。
これが、山忠の「行商精神」です。
私は今も、社員とともにお客様のもとへ直接お話を伺いに⾏きます。対⾯だからこそ感じ取れる表情や想いがあり、それはどんな時代になっても変わらない原点です。親⼦⼆代、三代にわたってご愛⽤くださる方もいらっしゃいます。そんなお客様との絆こそ、私たちの⼀番の財産です。

⼀⽅で、時代は⾏商精神を進化させる新しい⼿段も与えてくれました。
オンラインでいただくレビュー、⽇々蓄積されるデータ。AIを活⽤すれば、これまで拾いきれなかった膨⼤な声の中から、ほんの⼩さなお困りごとを⾒つけ出すこともできます。ただし、データだけに頼った商品づくりは、本質を⾒失います。すべての要望を平均的に詰め込んだものは、結局誰の⼼にも響きません。⼀歩先を掘り下げ、もうひと⼯夫を加えるからこそ「これが欲しかった!」と⾔っていただける商品が⽣まれるのです。
データで「量」をつかみ、直接お会いして「深さ」を確かめる。昔ながらの姿勢と新しい技術を掛け合わせることが、これからの⾏商精神だと考えています。

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そして、この未来をつくるのは、社員⼀⼈ひとりです。 私が社員に望むのは、⼤きなことではありません。⾃分の仕事がお客様のどんな「不」を「快」に変えているのかを常に考え、⼩さな気づきを⼤切にすること。お客様のちょっとした⼀⾔の奥に、本当のお困りごとが隠れていないか考えること。本質に気づくこと。そんな現場の⼩さな気づきと⾏動の⼀つひとつが、⼭忠を育てていくのです。

⼭忠には「奉仕を先に、利は後に」という⾔葉があります。お客様に喜んでいただくことを先に考えれば、利益は後から⾃然とついてくる。誰かの役に⽴っているという実感を、全社員が持てる会社。その集まりは、きっとどこよりも強い会社になると信じています。

2035年に向けて、⼭忠はこれからも、お客様の毎⽇に寄り添い、少しでも安⼼で、⼼地よく、健やかな暮らしを⽀える会社として、新たな次のステージへ進んでまいります。